大判例

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東京高等裁判所 昭和26年(う)806号 判決

原判決判示事実は原判決挙示の証拠によつて認められるが、被告人の供述その他の証拠は所論のような事情で真実のものでなくこれを措信しえないとすべき確証はない。なお原審が取調べた証拠に現われた事実によると原判決の事実認定に過誤がなく、また採証法上の違法もない。そして公安委員の任命については法定の候補者というものはなく、従つて法定の推薦届出というようなことがないことは所論の通りであるが、法定の候補者の制度のない場合でも、いやしくも特定人が事実上一定の公職の候補者として有力視されている際、その特定人を、これに任命することに反対する運動は現実の政治に影響を与えると認むるのが相当である。従つて昭和二十二年勅令第一号第十五条第一項にいわゆる政治上の活動であると解すべきである。判示第一によれば、被告人は判示新町のボス的存在と噂されていた町議会議長松浦英の一派から、ないない公安委員に擬せられ相当有力視されていた丸茂米造につき判示のような言動をなして同人の公安委員任命に反対したのであるから右行為は右勅令第十五条第一項のいわゆる政治上の活動に該当するものというべきである。

原判決が被告人の行為を同令違反の行為として処断したのは正当である。論旨理由はないものである。

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